研究課題/領域番号 |
26286057
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研究機関 | 東京農工大学 |
研究代表者 |
黒川 隆志 東京農工大学, 工学(系)研究科(研究院), 名誉教授 (40302913)
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研究分担者 |
塩田 達俊 埼玉大学, 理工学研究科, 准教授 (10376858)
田中 洋介 東京農工大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (20283343)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 光周波数コム / 分光 |
研究実績の概要 |
本研究では,光パルス整形により合成した高繰り返し(12.5GHz)パルスから,広帯域なマルチギガヘルツコムを発生し,このコムの全てのモードを一括してkHz精度で周波数シフトする技術開発する.周波数可変な広帯域コム光源を分光系と組み合わせ,広帯域性と高分解能を併せ持つ近赤外域分光技術を新たに開拓する.初年度は,マルチGHzコムの発生,およびコムの一括周波数シフトを実現するための技術の確立など,要素技術の性能向上を進めた. (1)マルチギガヘルツコムの発生と周波数掃引 周波数安定化LDから位相変調器に入射し,12.5 GHzの電気信号を印加することで,コム間隔12.5 GHzの光周波数コムを生成した.光パルスシンセサイザで各コム成分の強度と位相を調整し,幅約3.3 psのガウシアンパルスを生成した.続いて,高非線形ファイバとシングルモードファイバを伝播させることでパルス幅を圧縮したパルスを高非線形ファイバに伝搬させることで帯域約60 nm以上のマルチギガヘルツコムを生成した.パルスシンセサイザの後にSSB変調器を設置して,光周波数シフトを与えた.周波数シフトされたパルスには,不要なスペクトルピークが生じるため,ファブリペローフィルタ(FPF)を用いることで不要なスペクトル成分を取り除き,消光比の改善を行った.周波数シフトによって帯域の広がりに差はあるが,約60 nm以上の帯域で,4~19 GHzの周波数シフトしていることを確認した. (2)分光応用の原理確認 生成した周波数可変なマルチギガヘルツコムを用いて,分光応用の原理確認をおこなった.サンプルとして,半値幅約10 MHz,FSR約110 MHzのファイバ型FPFを用い,周波数掃引されているコムの1本を可変周波数フィルタで選択して,試料を透過して分光を行った.分光の結果,ほぼ計算と一致する分光特性が得られ,周波数可変なマルチギガヘルツコムによって帯域60 nm,分解能1 MHzの分光測定を行えることが示された.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
周波数帯域が約60 nm,コム周波数間隔12.5 GHzのマルチギガヘルツコム光を発生した.このコムの周波数掃引に成功し,この光源による分光実験の原理確認に成功した.これらの成果により,当初の目標に近い成果が得られつつある.
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今後の研究の推進方策 |
マルチギガヘルツコムコムの一層の広帯域化を進めるとともに,回折格子分光系を試作してコムによる分光システムの検討を行う.デュアルコム分光やファイバーセンシングなどの応用範囲の拡大に向けた検討を総合的に行う.
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次年度使用額が生じた理由 |
分光系を構築するための部品を購入する予定であったが納期が間に合わないため、次年度に回すこととした。
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次年度使用額の使用計画 |
今年度に上記の部品を購入して分光系の構築を進める。
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