結像型硬X線顕微鏡は,高分解能観察・顕微分光・リアルタイム観察への応用が可能であるという点で様々な分野への応用が期待されている.しかし,色収差なし・波面収差なし・コマ収差なしであるX線結像光学系が存在せず,その応用範囲は限られていた.本研究では,4枚の全反射ミラーを用いることでこれらを解決した.SPring-8にて開発したX線顕微鏡の性能を評価したところ,50nmの空間分解能を達成した.本性能は色収差がない顕微鏡としては世界最小である.さらに,結像型顕微XAFS分析システムと結像型蛍光X線顕微鏡を構築した.試料の構造だけでなく,化学状態や元素識別も可能となった.
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