研究課題
2002年来開発中の人体軟組織を描画するシステムX線暗視野法は高いコントラストを有することが実証されてきた。システムは放射光源、非対称反射モノクロメーター・モノクロメーターMC、試料と回転軸、透過ラウエ型角度分析板LAA、画像受光器からなる。これらにより空間解像度も相当程度高いことが実証されつつある。この空間解像度は高木・トーパン方程式を数値計算することにより計算できる。さらにこの計算により空間解像度はLAA厚さの関数であり、LAA厚さを薄くすることにより理論限界値はLAA厚さを60ミクロンにすることにより2-3ミクロンに達することができることが分かった。現在は加工技術の限界によりLAA厚さは170ミクロンであるため空間解像度は8.5ミクロンであることが分かった。この値を超えるために加工会社と共同でLAAを薄くする技術の開発を行なってきた。薄くすることによりシリコン単結晶は紙のように反り返り直径60mm全面にわたって平面を保つことが不可能になる。このため周辺は3mm厚さのシリコン単結晶で囲むようにして平面を保って来た。しかしながら薄くすると境界において生ずる歪みのため理論上必要な曲率半径20kmを保つことが非常に困難になることがここ数年の開発の結果分かって来た。これを解決するには薄い部分から厚い部分への移行部において円弧を描くように厚さを変化させるが理想であるが、工学的難しさがあるので、代わりに薄い部分から厚い部分へ移行する箇所に傾斜をつけることとした。このための特殊な砥石を開発し、傾斜角度を60度に設定しLAAを作製し2結晶平行配置により結晶の完全性を確認したところ、前回までに比較してかなり改善されたことが判明した。これにより研究の方向性は正しいと判断し次回は傾斜角度を20度とするところまで到達した。
28年度が最終年度であるため、記入しない。
すべて 2017 2016 その他
すべて 国際共同研究 (2件) 雑誌論文 (1件) (うち国際共著 1件、 査読あり 1件、 オープンアクセス 1件、 謝辞記載あり 1件) 学会発表 (1件) (うち国際学会 1件、 招待講演 1件) 図書 (1件) 学会・シンポジウム開催 (1件)
Physics Medical
巻: 32 ページ: 1801, 1812