ガロア変形による岩澤理論の一般化と新現象の探求

2017 年度 実績報告書

• 研究課題/領域番号: 26287005
• 研究機関: 大阪大学
• 研究代表者: 落合 理 大阪大学, 理学研究科, 准教授 (90372606)
• 研究分担者: 原 隆 東京電機大学, 公私立大学の部局等, 助教 (40722608) ; 下元 数馬 日本大学, 文理学部, 准教授 (70588780) ; 安田 正大 大阪大学, 理学研究科, 准教授 (90346065)
• 研究期間 (年度): 2014-04-01 – 2020-03-31
• キーワード: 肥田理論 / ジーゲルモジュラー形式 / Euler系 / 岩澤理論 / p進L関数

研究実績の概要

本年度は代表者の研究としては以下の研究を並行して実施した.
(1) Coleman変形族に関する円分岩澤理論の研究 (2) 巨大な係数環を持つp進リー群の研究(下元氏との共同研究) (3) 非可換岩澤理論における函数等式の研究(Jha氏との共同研究) (4) GSp_4の岩澤理論の研究(Lemma氏との共同研究)
(1)に関しては, 以前のNuccio氏と共同で得たColeman写像の応用としてColeman変形族でのEuler系の構成について議論を精密化したりMazur-北川流のモジュラーシンボル型の２変数p進L関数の構成がnon-ordinaryで得られることなどを示した. (2)に関しては, 2変数の岩澤理論のEuler系にを用いた証明において今までの結果で課されていた条件のいくつかを外すための議論を進めた. (3)については, Selmer群に対する関数等式をに関する局所的な計算を完成させた. (4)については, GSp(4)のスピノールL関数のp進L関数の構成を追求した.
分担者の下元氏の研究としては, Andreによって構成された概Cohen-Macaulayな概パーフェクトイド代数に関して, tiltingとHochsterによる代数的改変を用いることによって, Andreの結果から概構造を取り除くことに成功した. この結果の応用として代数多様体の特異点の研究も行った.

現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

それぞれの課題に関して, 今まで停滞していた不明な部分が明らかになり解決に近づいた.

今後の研究の推進方策

Jha氏との共同研究である非可換岩澤理論の関数等式など解決にかなり近づいているものに特に集中して論文完成を急ぎたい.

次年度使用額が生じた理由

海外共同研究者の大学の移動などにより研究打ち合わせを含めた研究のスケジュールを次年度にシフトする必要が生じたため

研究成果

• [国際共同研究] Koc University(トルコ)
  • 国名: トルコ
  • 外国機関名: Koc University
• [国際共同研究] IIT Kanpur(インド)
  • 国名: インド
  • 外国機関名: IIT Kanpur
• [国際共同研究] University of Paris 7(フランス)
  • 国名: フランス
  • 外国機関名: University of Paris 7
• [雑誌論文] The cyclotomic Iwasawa Main Conjecture for Hilbert cuspforms with complec multiplication (2018)
  • 著者名/発表者名: Tadasih Ochiai and Takashih Hara
  • 雑誌名: Kyoto journal of Mathematics 巻: 58 ページ: 1-100
  • 査読あり
• [学会発表] Iwasawa theory for p-adic family of modular forms (2017)
  • 著者名/発表者名: Tadasih Ochiai
  • 学会等名: Tata Institute of Fundamental Research
  • 招待講演
• [学会発表] Iwasawa Main conjecture for p-adic family of elliptic modular forms (2017)
  • 著者名/発表者名: Tadasih Ochiai
  • 学会等名: Iwasawa 2017
  • 国際学会 / 招待講演
• [学会発表] 高階数のp擬通常的ガロワ変形の岩澤主予想について (2017)
  • 著者名/発表者名: Tadashi Ochiai
  • 学会等名: Regulators in Niseko 2017
  • 国際学会 / 招待講演
• [学会発表] Iwasawa Main Conjecture for nearly ordinary deformations of higher rank (2017)
  • 著者名/発表者名: Tadashih Ochiai
  • 学会等名: workshop on p-adic L-functions and algebraic cycles
  • 国際学会 / 招待講演
• [学会発表] La conjecture principale d'Iwasawa pour les deformations galoisiennes p-adiques et le systeme d'Euler (2017)
  • 著者名/発表者名: Tadashi Ochiai
  • 学会等名: Seminaire: Groupes Reductifs et Formes Automorphes (Universite Paris 7)
  • 招待講演
• [学会発表] Iwasawa theory for Coleman families (2017)
  • 著者名/発表者名: Tadashih Ochiai
  • 学会等名: number theory seminar at Heidelberg University
  • 招待講演
• [学会発表] La conjecture principale d'Iwasawa pour les families p-adiques des formes paraboliques (2017)
  • 著者名/発表者名: Tadashi Ochiai
  • 学会等名: Seminaire de la theorie des nombres ( Universite de Grenoble)
  • 招待講演
• [学会発表] La conjecture principale d'Iwasawa pour les deformations galoisiennes p-adiques de rang general (2017)
  • 著者名/発表者名: Tadashi Ochiai
  • 学会等名: Seminaire de la theorie des nombres (Universite Paris 13)
  • 招待講演
• [備考] 研究活動およびその他の仕事
  • URL: http://www4.math.sci.osaka-u.ac.jp/~ochiai/work.html