研究課題/領域番号 |
26287006
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
中村 博昭 大阪大学, 理学(系)研究科(研究院), 教授 (60217883)
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研究分担者 |
角皆 宏 上智大学, 理工学部, 教授 (20267412)
森下 昌紀 九州大学, 数理(科)学研究科(研究院), 教授 (40242515)
古庄 英和 名古屋大学, 多元数理科学研究科, 准教授 (60377976)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 国際情報交換 / 数論的基本群 / ポリログ関数 / 岩澤理論 / グロタンディーク・タイヒミュラー理論 |
研究実績の概要 |
今年度は、Eisenstein不変量の合成法則を中心に,Bloch-角皆により導入されたSL(2,Z)の合同部分群上の完備群環表現を,有限レベルの合同部分群上の有限群環表現やアデール的な関数などに変形する仕方について解明が進んだ.同時に Eisenstein 周期関数の副有限版について知見を整理した.これらの成果の一部については,ストラスブールで5月に行われた集会"Geometrie, arithmetique et physique : autour des motifs "やスイスで8月行われた研究集会"GRT, MZVs and associators"のほか,慶応大学(6月),早稲田大学(12月)の講演会で報告した.また,3月にはX字型の有理デッサンに関する結果を上智大学の研究集会「Tokyo Journal of Mathematics 筱田記念号刊行に寄せて」で報告した.このほかWojtkowiak 氏との長年の懸案であったエル進ポリログ関数の分布型の関数等式(Kubert 恒等式)について一定レベルまで結果がまとまったので,プレプリントの形に仕上げ,投稿した。また年度末の3月22日~25日には、福岡で国際研究集会「Low dimensional topology and number theory VIII」を九州大学の森下昌紀氏と東京大学の河野俊武氏と共同主催した。この研究集会には、Ted Chinburg, Nigel Boston 氏を含む数名の研究者を海外から招聘し、結び目群の指標多様体や副有限基本群,Belyi関数・多重L関数など課題に関連の深い最新の成果発表を交え、有意義な研究交流が実現できた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
高種数のモノドロミー表現については,十分な時間が取れず考察の進行状態に若干の遅れがあるが,楕円曲線に関するEisenstein不変量についての考察はおおむね良好に進行中である。
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今後の研究の推進方策 |
高種数の安定的モノドロミー表現、ポリログ関数の関数等式およびEisenstein不変量について課題を継続する。 研究分担者の方達は引き続きそれぞれの分担課題に対して、角皆宏氏はガロア理論的側面、森下昌紀氏は数論的位相幾何学的側面、古庄英和氏はGrothendieck-Teichmueller群との関連性について考察を進め、研究代表者と適宜、進展状況を共有する。 京阪地域の連携研究者の玉川安騎男氏、望月新一氏、星裕一郎氏、井原健太郎氏とはセミナーや講演会を通じて課題に関係する研究および若手研究者サポートなどの面で協力する。
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次年度使用額が生じた理由 |
海外の専門家との打ち合わせのため,招へい・渡航を予定していたが,双方の他の用務との調整のため日程的な可能性が限定され,必要な日数が確保できなかったため,短縮ないし延期とせざるを得ない状況があった。
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次年度使用額の使用計画 |
昨年度中に実施する予定であった研究打ち合わせのうち,日程的な条件で充足できなかったものについて,今年度に打ち合わせを追加的に行うことにより補充する計画である.
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