20世紀の中頃にホモロジー代数という当時としては新しい数学が芽生えました。その理論が確立される過程において予想という形で提案された多くの問題が今も未解決のまま残っています。21世紀に入ると圏論的手法が導入されることが多くなり、それらの問題も圏という枠組みで捉えられるようになりました。予想の多くは有限生成、すなわち有限個の元とそれらの間の有限個の関係式で与えられるような代数的対象を問題としています。しかしながら本研究では、これらを一旦「無限にまで延長して」、一般導来圏という巨大な圏に拡げて問題を考察して、有限の場合の結果を導出することに成功しました。
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