広視野補償光学を実現するトモグラフィー波面推定の新しいアルゴリズムとして、複タイムステップ・トモグラフィック波面推定の手法を、すばる望遠鏡の持込み装置である多天体補償光学実証機 RAVEN を用いて実証した。RAVEN の波面センサーの解析により、各高さの大気揺らぎが風向きにより時間と共に移動していること、相関のピークの強度は100ms程度までは強く、この時間間隔では大気揺らぎの各層が「凍結して移動している」と見なせることがわかり、複タイムステップ・トモグラフィック波面推定の有効性が実証された。
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