研究課題
昨年度に試作した小型偏光ビームスプリッタの評価結果に基づいて、110mm×110mmの大型で広許容入射角・広帯域を兼ね備えたプレートタイプの偏光ビームスプリッタの製作と評価を実施した。また、搭載望遠鏡をかなた望遠鏡とした場合の光学設計の修正案を作成した。昨年度の試作により、ワイヤグリッドを用いた偏光ビームスプリッタにおいて70mm×70mmを超える大型の製品の製作の目途が立っており、それを平面ガラスに並べることでより大型のものも実現可能であることが判っていた。光学メーカーとのやりとりにより、110mm×110mmまで製作可能であることが判った。そこで、基板ガラス及び波長特性が異なる2種類の110mm×110mm偏光ビームスプリッタを5ケずつ製作した。さらに、光学素子の透過光の偏光能率をΔp=0.01%以下の高精度で自動評価する光学システム(水平光路APASユニット)を購入し、光学定盤上に組み上げた。これにより、我々が夜間に運用している観測装置をダウンさせることなく、実験室にて光学素子の偏光能率を測定できるようになった。これを用いて、製作した偏光ビームスプリッタにおける波長633nmの透過光の偏光度が、ほぼ全面に亘り、入射角45°±10°の範囲内で99.5%以上という良好な値を示すことを確認した。これは広視野偏光カメラの仕様を充分に満たすものであり、大判の広許容入射角の偏光ビームスプリッタの実現の目途が立った。これらの開発研究と並行して、広島大学1.5mかなた望遠鏡と既存の観測装置(HONIR, HOWPol)を用いた活動銀河核、前主系列星、彗星、超新星等の観測的研究を行った。これらはSGMAPプロジェクトにおける偏光モニターのターゲットでもある。さらに、SGMAPの広視野偏光カメラの搭載望遠鏡を、MAGNUM望遠鏡からかなた望遠鏡に代えた場合に最適化した光学設計案を作成した。
28年度が最終年度であるため、記入しない。
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すべて 雑誌論文 (11件) (うち国際共著 11件、 査読あり 11件、 オープンアクセス 11件) 学会発表 (3件) (うち国際学会 1件) 備考 (1件)
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