最近のX線天文衛星によって、惑星や彗星がX線源であることが分かってきた。X線は太陽と惑星などの相互作用によって形成される磁気圏での粒子加速や大気流出を探る新手段となる。本研究では、探査衛星へ搭載可能なコンパクトかつ超軽量な望遠鏡を目指し、日本が得意とする MEMS (マイクロマシン)技術を用いた独自の望遠鏡を進展した。我々は、製作に用いる要素技術を改良し、Wolter I型望遠鏡を組み立て、鮮明なX線像の取得に成功した。並行して、天文観測の超小型衛星への搭載が決定し、望遠鏡の熱構造設計を進め、振動試験を実施し、問題がないことを確認した。加えて、イオンビームを用いた新しいX線反射鏡も実証した。
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