研究課題
LSNDに始まり、MiniBooNE実験にても決着を見ない電子ニュートリノへのニュートリノ振動(LSND問題)に決着をつける事を目的とした本研究課題では、OPERA実験の全統計に対して解析を行い、その結果を出すことを目的としてた。表記の目的は、2017年4月3日にOPERA実験をホストしていたイタリアのグランサッソ国立研究所(LNGS)での成果発表にて公開された。2008年から2012年までの全ビーム照射期間内の約7000のニュートリノ反応を対象とした解析から、合計で32個の電子ニュートリノ反応を検出した。2008年と2009年の統計で結果を発表した際には、統計の少なさからcounting法でのリミットの算出を行っていたが、統計を大幅に増やしたことにより、エネルギー分布を考慮したshape解析を行う事を可能とした。結果として3+1のフレームワークにおけるdm^2_41と effective mixing angle sin^2(2theta_mue)の空間において多くのLSND,MiniBooNEによって許容されていた領域を排除した。dm^2が大きな領域において90%信頼度で sin^2(2theta_mue)<0.019を達成した。この実験結果を得る中で、OPERA実験の主目的であるタウニュートリノへの振動をその出現によって検証するという目的が達せられ、2016年3月には第21回日本物理学会論文賞を受賞するに至った。また、2015年のノーベル物理学賞のScientific background にも他のニュートリノ振動実験とは全く異なるアプローチで検証を行ったOPERA実験は独立なセンテンスとして語られ、その価値が認められた。
28年度が最終年度であるため、記入しない。
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Nucl.Part.Phys.Proc.
巻: 273-275 ページ: 1865-1869
10.1016/j.nuclphysbps.2015.09.301