圧電素子で基板を左右へ非対称なずれ振動させることにより、動摩擦と静摩擦の差を利用して、超流動4He中に水平に配した基板上の4He結晶を水平方向に駆動することに初めて成功した。観測された4He結晶の運動は、通常物質の運動と大きく異なり、高速で超流動体から結晶成長する4He結晶の量子性が関わった新しいタイプの駆動様式によるものであった。 また超流動液体中の4He結晶の濡れ性の制御が、基板の粗面化により可能であることを実証した。これにより、結晶においても、基板表面に液体が浸潤するCassie-Baxter状態がありえることが示された。
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