研究課題
基盤研究(B)
量子アニーリングの特性を理論的に調べるには、断熱極限においてエネルギーギャップの系の大きさ依存性を明らかにする方法がよく用いられいる。本研究では、より現実に近い状況で起きる非断熱効果を明らかにするため、リバースアニーリングの枠組みにおいて断熱および非断熱両方の側面を解析的および数値的に研究した。その結果、断熱条件の下での静的な相図の構造が非断熱なダイナミクスの特性に直接反映されていることが明らかになり、より解析の容易な静的相図の解明の意義が明確になった。
量子アニーリング
量子アニーリングは組み合わせ最適化問題を解くための量子力学的な手法である。その理論的な研究においては、系のパラメータが十分ゆっくりと変化する極限の解析が主に行われてきたが、現実との対応が必ずしも明らかでない。本研究は、ゆっくりとした極限での解析がより現実的な状況に対しても有用な情報を与えることを明らかにした。これにより、量子アニーリングの理論的解析の基盤がより強化された。