本研究は「パラ水素結晶中のラジカル分子を磁気センサとする電子の電気双極子モーメント(eEDM)の探査」と題し、eEDMの存在を実証するために、極性ラジカル分子をp-H2結晶中に取り込み、eEDMのシュタルクエネルギーに起因する熱的状態分布数の変化を、検出しやすい別の物理量の変化として観測することを目標としている。そのためには、①ラジカル分子を結晶内に大量に作成する技術および、②極性分子の結晶内の配向をモニターし、外部電場によって配向を制御するための研究を行った。その結果、①HgHラジカルのp-H2結晶内生成の確認と②CH3F分子のp-H2結晶内での配向をモニターすることに成功した。
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