研究課題
前年度までに海底地震計と制御震源を用いた地震構造探査データに地震波干渉法(SI)を適用し、浅部地震波反射面をイメージングする技術を確立できた。この技術を既存の6本の構造探査測線に適用した結果、これまでの解析結果(走時のみを使った地震波速度構造解析の結果)ではまったく把えることができなかった浅部の地震波反射面のイメージングに成功した。この結果は、海底地震計で観測された波形データには浅部の詳細構造をイメージングする情報が含まれていることを意味している。そこで、観測波動場全体を用いた波形インバージョン解析を適用したところ、地震波干渉法やハイドロフォンストリーマーケーブルにより取得された地震波反射法データでイメージングされた地震波反射面と一致する場所に地震波速度の境界面をイメージングすることに成功した。さらにこの波形インバージョン解析よって求まった地震波速度構造モデルを使って、地震波干渉法により合成した反射法データに重合前深度マイグレーション解析を適用したところ、さらに明瞭に反射面がイメージングできることが明らかになった。すなわち、海底地震計による構造探査データに地震波干渉法を適用することで反射法データが合成でき、浅部反射構造のイメージングが可能であるが、波形インバージョン解析と合わせることによって、詳細な地震波速度構造と更に明瞭な反射面イメージングが可能になることが実際のデータによって確認できた。2018年度には本結果の技術的な側面を二つの国際学会で発表した。そのうち一つは査読付きの Proceedings として誌上発表した。さらに、結果の解釈も含めて国際誌で発表することを目指して準備を進めた。2019年度中に投稿予定である。
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
すべて 2019 2018 その他
すべて 国際共同研究 (2件) 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (2件) (うち国際学会 2件)
Proceedings of the 13th SEGJ International Symposium
巻: 1 ページ: 588
https://doi.org/10.1190/SEGJ2018-018.1