研究課題
非定常重力波パラメタリゼーションを組み込まなくともQBOや半年振動(SAO)を再現可能にした、解像度T106L168(水平120km、鉛直550m)にした気候モデルを用いて、海面水温をエルニーニョ/ラニーニャ型にしたENSO実験を行った。ENSOに伴って対流圏ウォーカー循環や降水パターンが経度方向に変化する様子が観測と類似する事、またQBOの特徴がことなることが分かった。更に温暖化実験も開始した。9種類の再解析データと観測データを精査し、再解析の熱帯域東西風データにおいて地点観測が決定的な役割を果たしていること、また再解析データを用いたトレンド解析には注意が必要であることを示し、ACP Discussionに投稿、出版された。また雲解像全球モデルNICAMデータを用いた成層圏東西風の再現性の解析及び高解像度気候モデルの大気波動に関する研究が、共著論文として出版された。6つの再解析について、成層圏の平均子午面循環と混合強度を比較した結果をまとめ、論文への掲載が確定した。論文改訂段階では混合強度の評価手法を見直し、新世代と旧世代の再解析間で系統的な違いがあることを明らかにした。9種の再解析データの気温、東西風について、特に太陽活動に伴う変動の解析と比較をおこなった論文を出版した。また9種の再解析データの気温について、特に大規模火山噴火に伴う変動の解析と比較をおこなった論文を出版した。これらの論文では、QBOに伴う変動の評価も同時におこなっている。
2: おおむね順調に進展している
交付申請書に記載した計画に沿って、気候モデル実験を遂行し、再解析・各種観測データの解析も進んでいる。成果も論文として複数出ており、順調に研究が進んでいる。
交付申請書に沿って、引き続き気候モデルを用いた実験、再解析・各種観測データの解析を進め、成果を積極的に発表し、論文化していく。
今年度は気候モデル実験に加え、モデルデータ、再解析・観測データ解析に取り掛かり、成果が出てきた。計画的に使用したが、当初予定より研究成果発表の為の経費が抑えられた。
研究成果発表及びデータ記録装置の購入に充てる。
すべて 2016 2015 その他
すべて 国際共同研究 (3件) 雑誌論文 (6件) (うち国際共著 4件、 謝辞記載あり 4件、 査読あり 4件、 オープンアクセス 3件) 学会発表 (12件) (うち国際学会 8件、 招待講演 1件) 備考 (1件)
Atmospheric Chemistry and Physics Discussion
巻: - ページ: -
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