深海固着性動物の代表として、棘皮動物ウミユリ類に関し、下記の古生態学的研究を行った。アメリカ・サウスダコタ州および北海道の白亜系ウミユリ類の形態と骨格の炭素同位体比を調べ、これらが冷湧水に付随する群集であることが明らかになった。また現生ウミユリの実験的タフォノミーおよび化石ウミユリ類の保存される姿勢の観察から、腕の筋肉組織の有無を判断する手法を見出した。さらにウミシダが捕食者から受ける捕食圧に関し、北西太平洋海域、北部大西洋、北東太平洋に分布するウミシダをそれぞれ用いて、その再生腕の出現頻度を計測し、深度と地理的分布の違いでどのように異なるのかを定量的に求めることに成功した。
|