研究課題
これまでに開発した励起光用・信号光用レーザーを用いて後方ラマン散乱試験を行なった結果、顕著な後方ラマン信号は得られなかった。このため、再度、レーザー光の精密な計測を行なった。励起光源である1J, 100Hzで動作する半導体レーザー励起固体レーザーは600psのパルス時間幅であり、また、信号光用レーザーについても新たに高感度の3次自己相関計測を用いてパルスコントラストやパルス時間幅を測定し高いパルスコントラストとガウス状のパルス時間波形を確認し問題のないことを確認した。次に、生成プラズマの発光時間や密度などをプローブ光によって測定した。信号光と相互作用する600psの時間幅においてプラズマ密度が顕著に変化すること、生成プラズマ密度が低いことを確認した。このため、後方ラマン散乱条件を満たす相互作用時間・空間は極めて短いことが予想され、変動するプラズマ条件を考慮した数値シミュレーションを行ったところ、当初予想より2桁程度低くなることが示された。従って、効率良い後方誘導ラマン散乱のためには励起光用レーザーのピコ秒へと短パルス化する必要があることがわかった。同時に励起高強度をあげられることから高効率化が期待できる。このためには、短時間の相互作用時間であることから信号光用レーザーと励起光用レーザーの精密な同期と、両レーザー間の時間ジッターの大幅な低減が必要であることが明らかとなった。また、プラズマ密度についてはプラズマ生成材料を気体から固体ターゲットに変更することにより高密度化を図るとともに、限られたプラズマの時空間を極めて効率的に利用できることが明らかとなった。
29年度が最終年度であるため、記入しない。
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