本研究では、物質の取り込みと放出の速度を自在にコントロールできるような、新規な開閉型ホストの開発を行った。カゴ型トリス(saloph)および大環状ビス(saloph)配位子を独自に設計し、その配位サイトにコバルトを二つ導入した。カゴ型錯体については、開口部にヘキサンジアミン配位子を導入することで効果的にゲスト取り込み速度をコントロールできた。また、大環状錯体については、コバルト上のメチルアミン配位子が対アニオンとの結合部位として働き、そのキャッピング効果によって効果的にゲストが閉じ込められることがわかった。これを利用することで、オンデマンド型のゲスト交換を初めて実現できた。
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