研究課題
提案課題では,金属錯体を結合したアミノ酸・ペプチドの合理設計に基づく自己組織化によって,単一の錯体では実現不可能な触媒機能,分子認識能,光・電子・磁気物性を有する超分子集合体の創出を目的として,1)金属の1次元配列が制御されたポリメタル化ペプチド合成法の開発,2)環状,ヘリックスあるいはN,C-末端配位性ポリメタル化ペプチドの自己組織化による細孔性超分子の合成と金属の3次元配置制御,3)メタル化ペプチド超分子中に集積された,複数金属間の機能や物性の相互作用に基づく新物性・新機能の創出研究を行った。初年度にはポリメタル化ペプチド合成について基礎的検討を行った。具体的には,1)オリゴメタル化ペプチドの液相合成法の開発を行い,Ru錯体がペプチド側鎖に2-7個結合したRu結合型ノルバリンペプチドの合成に成功した。本研究ではトリアジン骨格を有する縮合剤とジメチルグリシンを用いることで,嵩高いRu結合型ノルバリンから液相逐次合成で高収率に対応するペプチドが得られることを見出した。平成27年度には,2)得られたRu結合型ノルバリンペプチドの溶液NMR,CDスペクトルによる立体構造解析を行い,残基数4以上のRu結合型ペプチドが安定なヘリックス構造を与えることを見出した。また,平成27および28年度では,3)Ru結合型ペプチドの超分子触媒への展開の基礎研究として,Ru結合型ノルバリンの触媒機能に関する詳細な研究を行い,これらが過酸化水素を酸化剤としてベンジルアルコールのケトン類への酸化反応やメトキシベンゼン類のベンゾキノン類への酸化反応に極めて高い活性を示す事を明らかにした。
28年度が最終年度であるため、記入しない。
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すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (11件) (うち査読あり 11件、 オープンアクセス 8件、 謝辞記載あり 7件) 学会発表 (32件) (うち国際学会 4件、 招待講演 13件) 備考 (3件)
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