研究課題/領域番号 |
26288040
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研究機関 | 首都大学東京 |
研究代表者 |
伊與田 正彦 首都大学東京, 大学教育センター, 特任教授 (50115995)
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研究分担者 |
大谷 裕之 横浜国立大学, 環境情報研究科(研究院), 教授 (30213763)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 超分子 |
研究実績の概要 |
近年、ナノ集積体に関する研究が急速に発展している。このようなナノ集積体は、大きな比表面積を持ち、さらに微粒子とは異なりその分子配列が制御されているので、既存の有機材料には無い優れた特徴を持つ。申請者は、有機π電子系材料およびその有機金属化合物とのハイブリッド材料を用いて、新しい超分子機能材料の開発を研究してきた。また、申請者は、ナノサイズの非常に大きな分子を合成して、その単分子としての機能および超分子会合体のナノ特性を研究してきた。本研究ではこれらの研究をさらに進めて、有機π電子系を使って新しいナノ集積体を構築し、ナノサイズ効果および超分子配列を使って新しいナノ物性を発現させると共に、ナノ集積体をマテリアルサイエンスの鍵物質として利用する基礎を築くことを目指した。先ず、大きな共役π電子系化合物を用いる共役ナノドット、ナノファイバーなどのソフト構造体の構築とそれらのハード材料への接合の制御であるが、この研究は、現在、ナノファイバーを合成して、その物性を調べており、最近、大環状オリゴチオフェンが有機溶媒の蒸気によってベイポクロミズムを示すと同時に、形態変化を起こして動くという現象も見出した。また、土星型環状オリゴチオフェン・C60錯体を用いる新規導電性-光物性の発現と分子素子の構築については、各種土星型環状オリゴチオフェン・C60錯体を合成して、その光誘起電流の測定とスイッチ機能を調べており、光照射下では暗所に比べて約40倍電気伝導度が高くなることが分かり、分子素子の構築に向けた基礎を完成させることができた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
平成27年度に計画した土星型大環状オリゴチオフェン・C60錯体の合成はすでに完成し、その錯体の示す光誘起電流についても測定を完成させている。また、この錯体をグラファイト上に作って、STM測定と電気伝導度測定も行った。さらに、大環状オリゴチオフェンが有機分子の蒸気によってベイポクロミズムを示すと同時に形態変化を示すことも見出した。
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今後の研究の推進方策 |
申請者らはこれまでに合成した申請者らのπドナー分子を用いてヘリカルテープ、ミクロリング、カチオンラジカル塩の破断により生成するダブルへリックスとトリプルへリックス、ナノファイバーへのC60のインターカレーション、および土星型大環状オリゴチオフェン・C60錯体のヘキサゴナルシート構造やラメラ配列を見出しているので、これらの知見を活かして多様な構造形成の原理を解明し、それに基づき光学活性ヘリカルテープ、ナノカプセル、電導体リングの構築を行なう。また、光伝導性を示すナノファイバーの研究を更に進め、光電変換効率の向上とスイッチ機能の確立を目指す予定である。
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