研究課題
医薬品や機能性分子(農薬・有機EL・太陽電池・色素など)などを製造する上で、Pdなどの金属触媒は有用であり、日本のものづくり産業の共通基盤技術となっている。本研究では「機能性分子合成用金属ナノパーティクル(Np)触媒」を独自の方法で開発する。本金属Np触媒(約5 nm)は金属触媒の活性を極限まで高めたものであり、従来の均一系触媒使用時には必須であったリガンドの添加が不要であるため、生成物の精製が簡便となり、多種類の機能性分子を迅速に合成することができる。また、これらNp触媒の特徴を活かした新反応の開発やこれを利用したマイクロウエーブフローシステム(多検体迅速合成装置)も開発する。更に、現在未開拓になっている金属Np触媒の反応メカニズムについても科学的解明を目指す。希少元素削減・代替型新規触媒を理論的に開発する。平成28年度は固体担持型金属ナノ粒子触媒に適したマイクロウエーブシステムの開発について大きな成果を得ることが出来た。また、金以外の有用な担持固体としてガラスが適していることも見いだした。さらに、リガンドフリ-鈴木宮浦カップリングに繰返し利用できる、ルテニウム(0)ナノ粒子触媒の開発にも成功した。
2: おおむね順調に進展している
平成28年度当初計画全てにおいて、良好な研究成果を得ることが出来ている。
引き続き、研究計画に基づき、研究を推進する。
端数が残金として計上された。
計画通り、次年度消耗品などの購入に充当する。
すべて 2017 2016
すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件、 謝辞記載あり 3件) 学会発表 (28件) (うち国際学会 7件、 招待講演 4件) 図書 (1件) 産業財産権 (1件)
Org. Lett.
巻: 18 ページ: 6224-6227
10.1021/acs.orglett.6b02612
J. Med. Chem.
巻: 59 ページ: 7282 - 7286
10.1021/acs.jmedchem.6b00437
ChemBioChem
巻: 17 ページ: 1509 - 1512
10.1002/cbic.201600096