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2014 年度 実績報告書

大きな複屈折を有する液晶高分子の合成と光学材料への応用

研究課題

研究課題/領域番号 26288058
研究機関東京工業大学

研究代表者

小西 玄一  東京工業大学, 理工学研究科, 准教授 (20324246)

研究期間 (年度) 2014-04-01 – 2018-03-31
キーワード高分子 / 液晶 / 複屈折 / 光学材料
研究実績の概要

高複屈折性液晶材料はLCDフィルム、レーザー発振用フィルム、光記憶デバイス等へ応用されており、さらなる高複屈折化(Δn)求められている。性能向上の効果として、たとえばΔn = 0.6、螺旋ピッチ550 nmのコレステリック液晶を実現した場合、光の選択反射領域は385~715 nm(選択幅330 nm)となり、ほぼ可視光全域の選択反射が可能となる。従って現状では複数のフィルムを積層するなどして達成されている偏光板やLCDフィルムを単一成分で作製することができ、ディスプレイの性能向上、大画面化、製造コストの削減など、そのインパクトは計り知れない。申請者らは、側鎖にジフェニルジアセチレン骨格を有するアクリル樹脂が広い温度範囲でネマチック(N)相を示し、かつガラス化(室温での固定化)可能で、低分子と遜色ない複屈折性を示すことを明らかにしているが、今回は、その性能の向上を目指した。
その結果、Δn = 0.4程度が実現できることがわかった。(特許の関係上、構造式等については割愛する。)
なお、主鎖にジアリールジアセチレン類などを有する液晶性ポリエステル、ポリエーテルの合成と物性評価を行ったが、広い温度範囲で液晶相を示すのは現段階で困難である。(現在、主鎖のアルキル基の構造を変えるなど、鋭意、検討中である。)
さらに光硬化系を利用した、高複屈折性コレステリック液晶フィルムの作製を行った。現状ではΔn = 0.3程度の値であるが、導入する液晶を工夫するなどして、さらなる高複屈化を行う予定である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

初年度に関しては、計画通りに進行している。

今後の研究の推進方策

企業研究者からの注目度の高い、高分子フィルム化を中心に進める予定である。

次年度使用額が生じた理由

フィルム化の研究の進捗がよいため、光硬化系について詳細に検討する予定である。そのための光反応装置やシステム開発(自作)を行うため、次年度に予算を使用する。

次年度使用額の使用計画

上記のように次年度の予算と合わせて機材等を購入し、研究を加速する。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2014

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件、 オープンアクセス 1件)

  • [雑誌論文] Synthesis, phase transition behaviors, and birefringence properties of fluorinated diphenyl-diacetylene derivatives2014

    • 著者名/発表者名
      Y. Arakawa, S. Kang, J. Watanabe, G. Konishi
    • 雑誌名

      Chem. Lett.

      巻: 43 ページ: 1858, 1860

    • DOI

      10.1246/cl.140779

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] Evaluation of optical parameters in side-chain LC polymethacrylate with a dinaphthyl-acetylene mesogenic unit2014

    • 著者名/発表者名
      S. Kang, S. Nakajima, Y. Arakawa, M. Tokita, J. Watanabe, G. Konishi
    • 雑誌名

      Polym. Chem.

      巻: 5 ページ: 2253, 2258

    • DOI

      10.1039/C2PY90049A

    • 査読あり

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公開日: 2016-06-01  

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