研究課題/領域番号 |
26288058
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研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
小西 玄一 東京工業大学, 物質理工学院, 准教授 (20324246)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 高分子 / 液晶 / 複屈折 |
研究実績の概要 |
2016年度に論文として公表したものを中心に説明する。 高複屈折性の分子の更なる性能向上に向けて、ビストラン骨格[1,4-bis(2-phenylethynyl)benzene (bistolane)]を選び、さらに原子屈折の大きな硫黄原子(アルキルスルファニル基)を導入した化合物を検討した。この化合物の欠点は、液晶転移点が高いことであるが、中心のベンゼン環にフッ素原子を導入することにより、大幅に転移点を下げることに成功した。物性値は、 delta n = 0.42 at 550 nmである。液晶挙動についても検討を行っている。 次に、さらなる複屈折の向上を目指して、ビストラン骨格の片方にアルキルスルファニル基、もう1方に分極率の大きな置換基を導入した分子を設計した。シアノ基 (-CN) や イソチオシアネート基 (-NCS)である。 delta n = 0.77 at 550 nmを達成した。材料として、0.6を超えることが求められており、十分な値であるが、フィルム加工性等の付与など材料化には、いくつか問題を抱えている。 これらのポリマー化やブレンドによる材料の評価も行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
全体として、ほぼ当初の計画を達成している。
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今後の研究の推進方策 |
最終年度は、物性値の向上をはかるとともに、材料への展開を行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
予定以上の進捗が認められた部分があり、そのための測定機器を次年度に購入する予定である。
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次年度使用額の使用計画 |
理由で述べた機器について、他の予算と合算で、機器を納入したい。
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