高齢化社会を迎え、アルツハイマー病などのアミロイド線維と呼ばれるタンパク質線維状凝集体が原因となる病気が深刻な問題となっている。これらの根源的な治療には線維の分解が必要となるが既存技術では実効にはほど遠い。そこで、ペプチドから成る「ミニチュア酵素」を設計し線維分解能を付与させることを目指した。このため、1)その細部の小ささゆえファイバーが張り巡らされた空間にも機敏に入り込み、2)接触困難な固体ファイバーの表面にも粘着部位で接着し、3)その場で初めて活性部位が切断機能を発現する、ようにテーラーメイド設計を推進した。この結果、アミロイドβ等の線維について特異的分解能を付与することに成功した。
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