生体マンガン触媒と人工マンガン触媒の酸素発生反応の活性の違いが、Mn3+反応中間体の安定性の違いに由来するとの仮説を立て、人工触媒の高機能化に取り組んだ。Mn3+の安定化するための手法として協奏的な電子プロトン移動に着目することで、中性のpH環境で触媒活性が大幅に向上することを実証した。また、触媒の結晶面の制御、ならびに微粒子化によりMn3+が特異的に安定化され、活性が向上することを見出した。さらに、貴金属触媒の酸素発生メカニズムとマンガン触媒のメカニズムを比較することで、反応中間体のスピン状態制御が普遍元素を用いた触媒開発のカギとなることを示した。
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