研究課題
基盤研究(B)
我々は、室温において光照射のみで固体と液体の間を可逆的に相転移する有機化合物を見出していた。本研究では、まず可逆的固液光相転移の機構を解明するために、この相転移を示すアゾベンゼン単量体を開発した。この単量体の結晶構造から有限個のクラスターを切り出し、中心分子の光異性化を時間依存密度汎関法により計算したところ、固体状態でも異性化が可能なことが示唆された。次に、この相転移を示す化合物を可逆接着剤へと応用するために、アゾベンゼンを有するポリマーを合成し、その光相転移挙動と接着強度の関係を調べた。その結果、相転移挙動には分子量依存性は見られなかったが、接着強度は高分子量化することにより改善した。
有機材料化学