腐食と応力の連成解析手法の開発を目指し、電気化学特性への応力の影響の評価法を確立した。実験条件の検討に時間を要したことから、連成解析コードの開発には至らなかったが、酸化皮膜損傷モデルに基づく微視的損傷部の分極曲線評価法を新たに開発した。塩水中のアルミニウム鋳造合金を対象に、応力による分極曲線の変化を測定し、応力により自然電位が40mV程度卑側にシフトすることを示した。鋳肌は研磨面より電位が低く、応力の影響を受けて腐食し易かった。また境界要素電場解析による皮膜損傷部の評価から、損傷部の自然電位は健全部に比べ、120mV程度低いことを明らかにした。
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