研究課題/領域番号 |
26289014
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研究機関 | 長岡技術科学大学 |
研究代表者 |
磯部 浩已 長岡技術科学大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (60272861)
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研究分担者 |
伊藤 義郎 長岡技術科学大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (60176378)
丸山 耕一 秋田工業高等専門学校, その他部局等, 准教授 (90302934)
原 圭祐 一関工業高等専門学校, その他部局等, 講師 (30515812)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 光弾性法 / 圧縮試験 / 超音波切削 / 二次元切削 / ストロボ撮影 |
研究実績の概要 |
【被削材内部の応力変動の動的撮影手法の確立】 光弾性法では,主応力差が偏光の位相差としてBrewsterの法則に従って干渉縞として観察される.すなわち,位相差は,被削材の厚さと光弾性定数に比例する.実際には,光弾性定数は素材によるばらつきが大きく,また,応力値が高くなって縞次数が二次以上では,応力値に対しての非線形性が強くなる.そこで,本研究では,被削材となるテストピースと同一素材に対して既知の単軸応力を作用させることで,撮影される位相差と主応力差との校正を行った.その結果,工具動力計で測定した切削力との差は,8%以下であることが確認された. 一方、超音波振動加工の再現性のある周期的現象に注目し,撮影光源を超音波振動よりも充分に短い時間だけ,振動に同期発光させるストロボ撮影を行った.光源には,超音波振動の同期信号トリガに対して応答性の高いパルスレーザー光源(パルス発光時間15ns,波長525nm)を選定し,適切な測定系,光学系を構築した.その結果,発光時間が極短時間であったが,光量は十分であり,1ショットでの撮影が可能になった. 【二次元切削加工装置の開発】 超音波切削加工において,送り速度が低い場合には,相対的に振動速度(振動周波数×振幅)の効果が高い.振動速度と送り速度が等しくなる,「臨界切削速度」での二次元切削実験が可能となる装置を開発し,上述の撮影装置に組み込んだ.インサートを周波数28kHz ,振幅6μmで送り方向,背分力方向,およびそれらの鉛直方向に振動させる切削ユニットを製作した.切削実験の結果,理論的には超音波振動1周期中の10%ほどの期間でインサートと被削材が接触している加工条件においても,応力が消失する時間は理論時間よりも著しく短く,切り込み深さを大きくすると消失時間がほとんど見られなくなることもあった.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
平成26年度では,装置開発を主に行う予定であった.おおまかに,撮影機器の構築と切削装置の製作であるが,順調に開発が終わり,実験結果を得ることができた.実験の結果,予想とは異なるような加工状態が得られたのは,大きな進展であると考えられる.
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今後の研究の推進方策 |
加工条件に対しての,振動加工特性の変化を詳細に測定する.また,今年度の結果として得られた,予想以上に応力の発生時間が長い点については,微速で送り速度を制御できる送り機構を用いて,被削材のスプリングバック特性も考慮に入れた検証を行う.
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次年度使用額が生じた理由 |
消耗品の決算が遅れたため、会計上の理由により次年度に繰り越されたものです。
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次年度使用額の使用計画 |
平成26年度中に納品され研究遂行上は影響なかった。平成27年度に消耗品購入の一部として使用する予定です。
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