研究課題/領域番号 |
26289017
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
森田 瑞穂 大阪大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (50157905)
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研究分担者 |
川合 健太郎 大阪大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (90514464)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 半導体表面 / フッ素化剤 / 三次元形状 / 光エッチング / ナノマイクロ加工 |
研究実績の概要 |
プロジェクター縮小光学系を用いて光照射強度分布パターンを投影し、シリコン・オン・インシュレータウェハのシリコン層、シリコン・オン・クォーツウェハのシリコン層のN-フルオロピリジニウム塩による光エッチングを行い、シリコン表面の曲面形状を走査型白色干渉計を用いて測定し、シリコンの曲面形状加工が可能であることを明らかにした。ウェハを硫酸・過酸化水素水洗浄、希フッ酸洗浄し、シリコン表面にN-フルオロピリジニウム塩を液状で塗布し、プロジェクター縮小光学系を用いて光照射強度分布パターン画像を投影した。シリコンの光エッチング後、アセトン中超音波洗浄によりN-フルオロピリジニウム塩を除去した。 光エッチングによりシリコン表面を曲面形状加工したシリコン・オン・インシュレータウェハ、シリコン・オン・クォーツウェハ基板の側面から波長1.52μmのレーザー光を基板表面に平行にシリコン層に導入し、シリコン曲面形状部の基板裏面からの出射光を測定し、シリコン曲面加工部を光導波路縦方向曲げ部として光が伝搬することを明らかにした。基板の横方向から縦方向への光伝搬は、光配線への応用上重要である。 二光束干渉光学系、多光束干渉光学系を構築し、干渉縞を形成して干渉縞の制御法を開発した。二光束干渉光学系は、中心波長が785nmの波長安定化半導体レーザー、ビームスプリッター、ミラーを用いて構築し、二光束干渉縞を観察した。多光束干渉光学系は、レーザー、多光束干渉用ハーフミラーを用いて構築し、二光束干渉縞、三光束干渉縞を観察した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
光導波路半導体の曲面加工については、プロジェクター縮小光学系を用いて光照射強度分布パターンを投影し、シリコン・オン・インシュレータウェハのシリコン層、シリコン・オン・クォーツウェハのシリコン層のN-フルオロピリジニウム塩による光エッチングを行い、シリコン表面の曲面形状を走査型白色干渉計を用いて測定し、シリコンの曲面形状加工が可能であることを明らかにした。半導体光導波路の分析・解析においては、ウェハ基板の側面から波長1.52μmのレーザー光を基板表面に平行にシリコン層に導入し、シリコン曲面形状部の基板裏面からの出射光を測定し、シリコン曲面加工部を光導波路縦方向曲げ部として光が伝搬することを明らかにした。多光束干渉による半導体表面テクスチャ形成の研究においては、二光束干渉光学系、多光束干渉光学系を構築し、干渉縞を形成して干渉縞の制御法を開発した。
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今後の研究の推進方策 |
半導体光導波路の解析を継続して遂行する。光エッチングメカニズムの解明を推進する。特に、シリコンウェハ上のN-フルオロピリジニウム塩に金属探針を接触させ、シリコンと塩に電圧を印加し、エッチング速度との相関を明らかにし、光エッチングメカニズムを解明する。また、多光束干渉による半導体表面テクスチャ形成の研究を継続して実施する。特に、多光束干渉光学系による干渉縞の制御法を活用し、光エッチングによりシリコン表面に規則的なテクスチャを形成できることを実証し、テクスチャ形状の制御法を開発する。
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次年度使用額が生じた理由 |
研究計画調書に、平成26年度の設備備品としてドラフトチャンバーの費用を記載した。光エッチング用の無機薬品を処理するために、平成26年度は複数の科研費により購入した共用設備である無機薬品用ドラフトチャンバーの費用に研究費を使用した。費用の負担額割合が50%であるため、主に価格と負担額の差に相当する平成27年度使用予定の研究費が生じた。研究の進行状況に応じて、有機薬品用ドラフトチャンバーの費用に平成27年度使用予定の研究費を平成28年度に使用する。
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次年度使用額の使用計画 |
光エッチング用の有機薬品を処理するために、有機薬品用ドラフトチャンバーの費用に使用できる。
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備考 |
http://www-pm.prec.eng.osaka-u.ac.jp
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