車載ナイトビジョン装置や夜間防犯カメラ,サーモグラフィーなどの赤外線光学デバイスの開発において単結晶シリコンを基板とする複雑形状レンズの超精密加工が強く求められている.しかし,シリコン切削時にダイヤモンド工具の摩耗が非常に激しく,それによる加工精度低下そして生産コスト増加が大きな問題となっている.本研究では,導電性をもつダイヤモンド切削工具を使用し,通電切削およびシリコンへの光照射と電磁場内での超精密切削法を提案した.その結果,シリコン工作物からダイヤモンド工具へ微弱な電流を発生させることによりダイヤモンド工具のバックボンド電子の損失を防ぎ,ダイヤモンド工具摩耗への低減効果を確認した.
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