微小な摺動すきまにおける薄膜潤滑技術の確立に向けて,フォトマスクを介した紫外線照射によりナノ厚さ液体膜に微細な機能性凹凸パターンを付与する方法を提案し,その有効性を確認した.本研究では,これまでに開発してきた計測装置および粗視化分子シミュレーション法を一層高機能化し,ナノ厚さ液体膜のトライボ特性について,高精度な評価・解析を可能とした.実験とシミュレーションの結果から,摺動方向と平行なパターンより直交するパターンのほうが摩擦力が小さく,減耗した箇所の膜修復が速いことなど,パターンの形状や寸法がナノ厚さ液体膜のトライボ特性に与える効果を明らかにし,そのメカニズムに関しても重要な知見を得た.
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