研究実績の概要 |
回転系振動格子乱流について,平成26年度に引き続き,近年構築した大型実験装置を用いた実験,および回転系ナビエ・ストークス方程式による直接数値計算(DNS),を実施した. 回転系振動格子乱流の実験は,平成26年度に実施した回転系からx-z断面(回転軸を含む断面)でのPIV計測に加え,回転系からx-y断面(回転軸と直交する断面)でのPIV計測も実施し乱流統計量を算出した.まず,x-z断面およびx-y断面でのPIV計測結果の比較を通して計測結果の信頼性の確認を行った.乱流統計量については,二次流れの影響が少ないメッシュサイズM = 50 mmに対して,格子振動ストロークS = 40 mm, 格子振動周波数 fg = 2.0 Hz と設定し,タンク回転数 Ω = 0, 1, 2, 3, 4, 5, 10, 15, 20, 25, 30 rpm の条件で詳細な実験を実施し,乱流強度,乱流エネルギー収支,長さスケール,渦度の確率密度分布等に対する回転の効果を調べた.これらの結果については日本機械学会東海支部第65期総会・講演会で講演発表を行っている. 回転系振動格子乱流のDNSは,平成26年度に引き続き,ALEタイプの移動変形格子に拡張された自乗量保存形の差分スキームを使用し,乱流生成格子を差分格子で正確に表現し実施した.計算領域は水平方向(回転と直交する方向)に4M × 4M、回転軸方向に20Mとし,水平方向に周期境界条件,回転軸方向の上下面はすべり無し壁面境界条件とした.使用している計算手法においては圧力ポアソン方程式の解法の計算負荷が高いため,より大規模なDNSを実施するため,特に今年度は圧力ポアソン方程式の解法の高速化の検討を行った.
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