研究課題/領域番号 |
26289041
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研究機関 | 豊橋技術科学大学 |
研究代表者 |
中村 祐二 豊橋技術科学大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (50303657)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 燃焼 / マイクロフレーム / 超過エンタルピー / 燃焼安定性 |
研究実績の概要 |
本研究は,小型バーナで実現される自立型の熱循環により,バーナ内部で反応活性をもたらし超安定燃焼が実現させる可能性について探求するものである.この実現のため,(1)バーナ内部で起き得る化学反応による燃料改質度合の予測,(2)熱循環による効果の整理,(3)改質状況の可視化を順次実践する.初年度では,(3)のための環境整備ならびに(1)(2)を数値予測するための詳細反応解析手法の確立ならびにその実施を行った. 上記(3)に向けた諸検討として,当初案では外注により対応することを想定していたが,生成される薄膜の特性把握がセンシング精度に大きく依存することを勘案し,自前で薄膜生成が可能かどうかを検討した.そのための予算措置が取れないと判断し,その代案として様々な検討を行った結果,本学に所属する伊埼教授が所有する薄膜形成装置を利用させていただくことになった(伊埼教授には快諾済み).本年度はその装置利用のための準備に費やし,実際の実験実施については次年度以降に行うよう整備した.一方,(1)(2)についてはポストドクターの支援を受けながら数値計算を実施し,一定の成果を挙げることができた.本成果については次年度以降の国際会議等で公表してゆく予定である.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
上記項目9記載の通り,本課題で克服すべき課題を実現するための手順を順当に進めており,現在のところ,特段実施困難な課題も出ておらず,次年度の目標設定も明確であり,当初目標は期間内に十分達成できるものと考えている.当初予定では,初年度終了時に可視化システムの構築をあげていたが,薄膜形成対策の確定に時間を要したため,それは次年度に譲ることにした.その意味で予定通りの達成度にはなっていないものの,数値解析については予定よりも大幅に進めることが出来ているため,次年度以降はほぼ実験研究に集中することができる.その意味において,達成度は十分であると判断している.
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今後の研究の推進方策 |
当初予定では数値計算と実験を並行実施することが求められていたが,そのウェイトを大きく実験にシフトして可視化システムの洗練に多くの時間を費やして対応することとする.スピルオーバ効果については吸着の温度依存性についての確認などの試験前準備が不可欠であることから,次年度以降,まずはセンサ特性の把握から実施し,最終的にはそのセンシング技術を用いてバーナ内部の反応改質程度の度合いを計測する方法を確立したい.
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次年度使用額が生じた理由 |
当初は初年度から計測システムの構築などを予定していたが,上記項目9,10などに記載の通り,それ以前の薄膜形成に関する調整が長引いたため,検出システムにかかる予算をそのまま次年度に持ち越すことになった.この流用範囲は科研費使用規定の範囲内であることは言及しておく.
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次年度使用額の使用計画 |
当初初年度に使用予定であった計測システム構築のための使用計画をそのまま次年度に引き継ぐ
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