非対称積層された積層複合材は各層の強い異方性により熱硬化後に歪んだ(シェル)形状となる.なかでも特定の寸法および積層構成を有する積層材は二つの安定した形状を有する双安定複合材となる.本研究では双安定形状間の変形量と双安定性を示す臨界温度の二つの相反する目的関数に関して遺伝的アルゴリズムに基づく多目的最適化を行った.熱硬化後のシェル形状予測には,レイリー・リッツ法に基づく独自の数値計算手法を開発した.数値計算結果は実験結果とよく一致しており,多目的最適化結果は広範囲に渡った非劣解(パレート解)を算出することができた.
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