研究課題/領域番号 |
26289058
|
研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
鈴木 健嗣 筑波大学, システム情報系, 教授 (30350474)
|
研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
|
キーワード | ソフトロボティクス / 装着型ロボット / 人支援技術 / リハビリテーション支援機器 / 脳性麻痺 / 脊椎・脊髄疾患 |
研究実績の概要 |
本研究は,随意的な立位・座位姿勢変換を支援するソフトロボットアシスト技術の基盤化という目的に沿って(1)基礎研究(2)装置開発(3)応用研究というサブテーマを明確に設定し,提案技術の理論的な深化と出口を見据えた応用研究を同時推進するものである.27年度は,(1)電気生理計測を含めた基礎研究の継続実施,(2)人間工学的な評価実験(3)脊髄損傷者を含めた臨床研究について主に実施した. (1)臥位・座位・立位の遷移における上下肢協調運動の解析を進めた。これにより、このように,姿勢変換における各関節に生じる「力」の身体への影響,またいかに最もうまくバランスをとり,制御が可能にしているかという理解を深化させるとともに、新たな車椅子機構の開発にも着手している。(2)提案する受動的支援機構では,姿勢変換の物理モデル構築が必要不可欠である.なお,患者さんの個人差への適用および軽量化,また安全性と快適性の確保のため,3Dプリンタを利用した外装設計を行う.さらに,(ii)立位への姿勢保持・変換を支援するためには,膝部にて体幹を支える必要があるため,長時間の立位保持を可能とするための膝ブロック部の支持形状と対人親和性の評価実験に着手した.(3)臨床研究では、脊椎・脊髄疾患者に対する臨床研究を実施している。下肢感覚麻痺を有する患者において,長時間の利用による負荷知覚は安全性を十分に担保する必要があり,附属病院の研究協力者とともに開発を推進している.
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
(1)生体力学的解析:臥位・座位・立位の遷移における上下肢協調運動の解析、(2)ソフトロボット姿勢変換装具の開発:対人親和性の高い柔軟なロボット装具の開発、(3)応用研究:日常生活支援応用のための実証研究・リハビリテーション臨床研究、のそれぞれについて、当初計画通り順調に研究が進展している。
|
今後の研究の推進方策 |
本研究を効果的に進めるため,前述のサブテーマの主眼を,(1)基礎研究(2)ロボット装置開発(3)応用研究と明確に設定して同時に推進する研究計画としている.また臨床の現場と工学的な開発を一体化して推進することで,現場に即した実問題を解決する体制が整っている.附属病院においても,毎月の定例報告会で研究の進捗状況を確認しながら慎重に研究を進める.なお,計画に遅れが生じた場合は,原因や問題点を共有し,協力研究者や研究補助員との定例研究会にて要因の解決を行っていきたい.
|
次年度使用額が生じた理由 |
次年度使用額があるが、研究計画は予定通りである。 当初、機器の性能向上のための部品を購入予定であったが、現状でも十分実験が実施可能であるため実験を優先したため、消耗品費に未使用額が発生した。
|
次年度使用額の使用計画 |
平成28年度は、上記の性能向上のための改造に加え、旅費を中心に経費を利用する予定である。
|