小型圧電アクチュエータを実現するためには、加工困難性を伴うセラミックスではなく圧電厚膜を利用する必要がある。これには、高温高圧環境下での化学反応を利用する水熱合成法のプロセス中に強力超音波を照射することが有効である。本研究では、独自開発した超音波アシスト水熱合成法により、小型アクチュエータに応用可能な圧電厚膜を得ることを目的とした。この結果、2回のプロセスで31ミクロンのチタン酸ジルコン酸鉛の厚膜を得られ、小型圧電振動子において速度振幅1.2m/sの優れた特性を得た。また、環境負荷の小さいチタン酸バリウムの厚膜化についても10ミクロンの厚膜化を実現し、圧電応答顕微鏡により圧電性を確認した。
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