研究課題/領域番号 |
26289066
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研究機関 | 徳島大学 |
研究代表者 |
岩田 哲郎 徳島大学, ソシオテクノサイエンス研究部, 教授 (50304548)
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研究分担者 |
水谷 康弘 徳島大学, ソシオテクノサイエンス研究部, 講師 (40374152)
安井 武史 徳島大学, ソシオテクノサイエンス研究部, 教授 (70314408)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | テラヘルツ / エリプソメータ / 膜厚測定 / 塗装膜 / 薄膜 / 光計測 / 分光計測 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は,テラヘルツ(THz)周波数領域で,膜厚及び複素屈折率の精密評価を行えるような「二重変調型タンデムロックイン検出方式のテラヘルツ周波数領域エリプソメータ」の提案と開発を行うことである.これによって,通常の可視・紫外及び赤外光波長域では不透明なため測定が全く不可能な工業材料や生体材料の深さ方向の膜厚分布と複素屈折率スペクトルを,非破壊かつ同時に,しかも高精度で直接取得できるようにすることである.本年度は装置のハード面での製作をほぼ大枠において完了し,その基礎性能評価までを行った.その結果,金属面上の数マイクロメータオーダーの厚さの単層塗装膜の厚さ推定が可能であることを示すことができた.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の計画通り「二重変調型タンデムロックイン検出方式のテラヘルツ(THz)周波数領域エリプソメータ」のハード面での製作と基礎性能評価をほぼ完了できたため.しかしながら,研究開始時に励起光源として用いる予定であったフェムト秒レーザが不調になり,その修理と調整に時間を要したため,周辺機器として予定していた備品の購入が遅れ代用品を借用した.
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今後の研究の推進方策 |
今後は,周辺機器として予定していた備品を購入し装置を最終形に固定する.そして,被測定物に応じた膜厚及び屈折率推定におけるソフト面での開発研究に注力する予定である.さらに,単層膜のみならず,二層膜,金属フレークが混入したメタリック塗装膜,テラヘルツ領域でのメタマテリアル試料の作成と測定,散乱媒質中でキラリティを有する分子の測定をめざした円編光二色生測定などを随時試みる.
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次年度使用額が生じた理由 |
共同研究者所有で本研究の遂行に必須の励起用光源として予定していたフェムト秒レーザが,年度当初に不安定かつ不調となり,その修理と調整に時間が予想外にかかった.そのため,備品として購入予定であった高周波ロックインアンプや遅延パルス発生器の発注を見合わせたため.
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次年度使用額の使用計画 |
現在はフェムト秒レーザの修理が完了し,比較的に安定に動作している.したがって,高周波ロックインアンプや遅延パルス発生器を当初の予定通り購入し,製作した装置に組み込んで,現在は代用品で済ませている部分と交換して最終形とする.さらに,その評価のために必要な試料などの消耗品購入費用とする予定である.
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