研究課題
本年度は主に,急性期リハにおける下肢随意運動の誘発・拡張を目指したマスタスレーブ式両足協調運動デバイスの開発を行った.脳卒中急性期リハでは,麻痺側の筋肉が弛緩し,能動的な麻痺側の運動訓練ができない.この問題に対し本研究では,健側の手の運動を計測し,マスタ・スレーブ(M/S)方式で患側に両側同期運動を行わせる手指リハ支援RTを開発した上で,M/S方式による両側同期運動と自ら両手を同期させた能動運動の脳賦活状態をfMRIで比較・検証した.結果,M/S方式による両側同期運動と能動運動では脳賦活化領域に差異がなく,同様の効果が見込めることがわかった.この知見に基づき本年度は,これまで困難であった急性期リハにおける効果的な下肢訓練の実現を目指し,下肢随意運動の誘発・拡張を目指したマスタスレーブ式両足協調運動デバイスの開発を行った.まず,急性期に片麻痺者がベッド上で仰臥位にて下肢運動リハビリを行えるよう,2本のレール上に可動ペダルを取り付け頭尾方向に両足を可動できる構造とした.さらに,変位センサで計測された健側の頭尾方向の動きに基づき,患側のモータを駆動させ同期/対称運動を可能とすると共に,患側の能動性を阻害しないよう,可動ペダルとレールの間に機械ばねを組み入れ,ばね変位から患側の能動性を検出できる構造を案出した.評価のため,健常成人を対象に,①下肢両側の同期・対称運動の成立性,②(疑似)患側の能動性の検知に関する検証試験を行った.結果,同期運動では,両側の運動の相関係数が0.998,対称運動では-0.999となり,高い精度でマスタスレーブ式協調運動を行えることが示された(①).また,同期運動における(疑似)患側の能動性を大小2段階に設定したところ(大腿二頭筋の積分筋電位(25%IEMGと50%IEMG)),能動性の差異に応じて機械ばねの挙動が有意に異なることが確認された(②).
28年度が最終年度であるため、記入しない。
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Somatosensory & Motor Research, 2017
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