希土類系超電導コイルを液体窒素で冷却する場合は、過渡熱応力によりコイル特性が劣化する可能性があるため、コイルの予冷が重要であるといえる。また、過渡熱応力の抑制に有効な予冷温度について検討したところ、90K程度(液体窒素上空10mm程度)での予冷が有効であることがわかった。しかし、コイル冷却時の過渡熱応力による特性劣化を抑制するには、巻枠の材料選定も重要である。コイルの特性劣化は、コイル冷却時に超電導層に作用する剥離応力だけでなく、コイル端部と電流リードの接続方法にも大きく依存するため、コイル通電時のクエンチや焼損を防ぐには、これらの劣化要因も考慮したコイル設計・製作・冷却が重要となる。
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