研究課題/領域番号 |
26289071
|
研究機関 | 横浜国立大学 |
研究代表者 |
下野 誠通 横浜国立大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (90513292)
|
研究分担者 |
河村 篤男 横浜国立大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (80186139)
藤本 康孝 横浜国立大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (60313475)
|
研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
|
キーワード | 電気機器工学 / モーションコントロール / 制御工学 / モータドライブ / パワーエレクトロニクス / ハプティクス |
研究実績の概要 |
本研究課題では、狭隘空間において直動運動と回転運動を同時かつ独立に実現可能な二自由度ダイレクトドライブモータの開発を目的としている。この目的を確実に達成するために、全体の研究課題をA.クロスカップル構造の可動子を有する革新的な二自由度ダイレクトドライブモータの設計試作、B.クロスカップル構造の可動子を協調的に駆動するための独創的なモータドライブ技術の開発、C.多様な運動機能を同時かつ独立に発現するためのモーションコントロール技術の開発、という三つの研究計画に分割し、並行して実施している。 研究期間初年度の平成26年度では、まず研究計画Aにおいてクロスカップル形二自由度ダイレクトドライブモータの設計と試作を行った。具体的には、シャフト部はラジアル方向に着磁したセグメント磁石を市松模様に配置し、コイル部は二つの三相交流巻線を螺旋状にたすきがけ配置するように設計した。将来のハプティクス応用を見据えて、力触覚伝達特性を損なわないようにコギング力が発生しないコアレス構造としたモデルに対して、電磁界解析を行ったところ、推力とトルクを同時かつ独立に発生できることを確認した。次に、この解析結果を受け、設計モデルに基づいてクロスカップル形二自由度ダイレクトドライブモータの試作を実際に行った。 研究計画Bにおいては、内外の螺旋状巻線を協調的に励磁するためのモータドライブ理論の研究に着手した。研究計画Aのモータ試作において、当初計画よりも著しく研究が進展したため、市販のモータドライバを二台用いたモータ特性評価試験や、モータ駆動実験にまで取り掛かることができた。 研究計画Cでは、二自由度モータのための運動制御理論研究に着手した。研究計画Bの進捗を受け、市販のモータドライバを二台用いた閉ループでの運動制御実験を行い、直動動作と回転動作をそれぞれ独立に実現できることを確認した。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
当初の研究計画では、クロスカップル形二自由度ダイレクトドライブモータの設計試作を平成26年度末までに完了する予定であったが、モータの開発構想を当初から入念に練っていたことが功を奏し、6月末には設計が完了し、またモータ試作も9月中旬に完了するなど、研究が著しく進展した。この結果、平成27年度に実施する予定であった、モータの特性評価試験や駆動実験などの各種実験にまで、平成26年度の後半から前倒しして実施することができた。このように当初想定していたよりも順調に研究を推進することができ、研究目的を十分に達成できている。
|
今後の研究の推進方策 |
次年度以降では、二自由度モータの性能評価実験と運動制御実験を継続して行う。そして、得られた実験データに対して電磁界解析結果や運動シミュレーション結果との比較検討を行う。これらの結果から、クロスカップル形二自由度ダイレクトドライブモータの原理を実証するとともに、駆動理論と運動制御理論の確立を目指す。また、小型高出力化に向けた二自由度モータ設計に関する研究を推進することで、実用性の向上を図る。
|