本研究は,交流回転機で一般的に用いられる分布巻電機子巻線に高温超伝導線材を適用するための基盤研究として,小型コイルとスロットのある積層電磁鋼板と組み合わせて交流損失を評価するための模擬試験装置を開発し,交流損失低減法を研究した。FEM解析により,コアのスロット内で試験コイルに加わる垂直磁界分布を解析し,スロット内のコイル近傍に磁性体を配置することにより,垂直磁界を低減できることを見出した。単相及び三相の模擬試験装置に用いて,スロット内の試験コイル巻線近傍に磁性体を配置することによる交流損失低減効果を実証した。特に,Y系コイルによる試験では,最大で50%程度損失を低減できることを明らかにした。
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