研究課題/領域番号 |
26289079
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研究機関 | 新潟工科大学 |
研究代表者 |
今田 剛 新潟工科大学, 工学部, 教授 (60262466)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 電気機器工学 / 環境技術 / パルス大電力 / パルスパワー / 高電圧 |
研究実績の概要 |
真水または塩水(海水を模擬して塩分濃度3mass%)を満たした処理容器中の電極間(電極直径2mm、ギャップ間隔0.25mm)にピーク電圧15kVのパルス高電圧を印加した際の微生物や菌類の不活化特性を実験的に検討している。電極間の維持電圧は1.5kVで、0.29kAでパルス幅3.6μs(FWHM)のパルス電流が流れている。これにより、ピーク値で0.36MWのパルス大電力が水中に注入されている。ピーク電力は極めて高いがパルス幅がマイクロ秒オーダーであるため電力量は3.6×10-7kWh/pulseとわずかであり、使用する高電圧繰り返し電源を最高のパルス繰り返し数10pps(pulse per second)で運転したとしても、その消費電力量は少ない。この水中パルス大電力により、微生物(孵化直後のアルテミアおよびその卵、大腸菌類など)の不活化の諸特性およびその要因を吟味した。 1.OHラジカルおよび過酸化水素の不活化への作用 パルス大電力を水中に注入した際に各種のラジカルの生成が考えられ、それらは不活化の要因の一つとなる。そこで、OHラジカルの後物質である過酸化水素(H2O2)の定量を試みた。上記の電気的条件においてパルス大電力を積算で最大2000パルス、水中に注入したが、過酸化水素は認められなかった。すなわち、本実験条件においては、すくなくとも、過酸化水素による不活化の可能性の低いことがわかった。 2.微細泡の連続発生システムの構築と特性 本手法の実応用の基礎検討としてクローズドの水循環系における微細泡連続生成システムの構築を試みた。泡生成部と不活化処理部に泡を含む水を輸送することに成功したが、現状では流量不足により微生物等の不活化に必要十分な微細泡を供給できていない。 3.菌類の培養環境の最適化 恒温庫等を整備し、安定して菌類の培養や計数を行える環境とした。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
実験機器や計測機器の整備により研究計画の多少の遅れが生じているが、高電圧繰り返し電源の調整および菌類の培養・計数などの実験環境に目途がたち、研究の遂行には大きな問題はない。
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今後の研究の推進方策 |
当初の研究計画どおり、微生物や菌類の不活化特性の解明や実応用の基礎となる微細泡の連続生成システムの構築などの研究を進める。また、最終年度であることより、研究成果の取りまとめをおこなう。
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次年度使用額が生じた理由 |
旅費の未執行分が次年度使用額の生じた大きな理由である。成果発表にて発表会場が近傍で旅費がかからなかったこと、研究打合せ等において電子メール等の手段の併用により用件を行うことができたことなどによる。
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次年度使用額の使用計画 |
微細泡連続生成システムの水流量不足が生じているが、これを改善するための大容量バルブ等の消耗部品に次年度使用額分を充当する。
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