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異方性制御手法として張力による異方性制御技術を提案し、その手法の妥当性を実験的に検証した。前年度までに得られた結果を踏まえ、張力と磁気特性の関連について定量的な検討を加えた。
1.面内一様な張力の定量的印加手法確立：前年度までに検討した圧電素子を利用する方法と、熱膨張係数の異なる材料を利用する方法の2種類の手法に関する検討結果を踏まえ、電圧で応力を制御できる圧電素子を利用する方法を基礎検討として採用した。検討結果は電気学会マグネティックス研究会等で発表し、研究者コミュニティに成果をアピールした。現在民間企業との共同研究に発展しつつある。
2.磁区観察による異方性変化の直接観察：カー効果による磁区観察手法を利用した応力と異方性の関連を定量的に検討した。これにより磁化の回転を定量的に推定できることを明らかにした。さらに、異方性を評価する新たな手法として高周波磁界を与えた際の磁化方向の変化をカー効果により計測する手法について検討し、これが有用であることを明らかにした。
3.張力に伴う異方性変化の計測と評価：本研究の中心テーマである磁化の垂直成分の変化量を定量的に算出することを可能とした。これにより、張力と損失の間の定量的関係を明らかにするとともにそのメカニズムを理論的に明らかにした。
以上本研究ではこれまでに、面内一様に張力を印加した際の電磁鋼板の異方性の変化について定量的に明らかにするとともに損失との関連性を明らかにし、工業的に生産可能な手法で低損失磁性材料を実現できることを明らかにし、当初の目的を達成した。
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