研究実績の概要 |
研究初年度では、化学的手法をベースにした蛍光体の作製において、非希土類や希土類単独賦活だけでなく、これらの様々な共賦活蛍光体を作製した。具体的には、Mn4+賦活のZn系水和物蛍光体のZnGeF6・6H2O:Mn4+、Mn4+賦活Ba系非水和物蛍光体のBaGeF6:Mn4+やBaTiF6:Mn4+、アルカリハライド系蛍光体では、KCl:Ce3+、BaCl:Ce3+の単独賦活蛍光体や、KCl:Ce3+,Tb3+、NaCl:Ce3+,Tb3+、KCl:Ce3+,Sn2+、NaCl:Ce3+,Sn2などの共賦活蛍光体、酸化物蛍光体ではGa2O3:Eu3+, Ga2O3:Tb3+,SnO2:Eu3+などである。また、フッ化物蛍光体ではZnGeF6・6H2O:Mn4+、ZnSiF6・6H2O:Mn4+における光照射劣化現象を観測した。これは、発光強度が光照射により著しく減少する非可逆的な現象であり、その原因として光酸化や不均化反応の可能性を考えている。また、K2SiF6:Mn2+の黄色蛍光体に於いても同じような光照射劣化現象を観測した。劣化前後の電子スピン共鳴測定で、Mn4+やMn2+の信号強度が著しく減少することから、やはり光酸化などによる発光活性なMnイオンの濃度減少と考えている。K2SiF6:Mn4+蛍光体では、液中の高出力パルスレーザ照射によって、この蛍光体の微細化加工にも成功した。
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