研究課題
H28年度の研究成果は以下の通りである。(1) 非対称・金属-Ge-金属(MGeM)構造の光素子の発光特性とGe基板の電子密度との関係を調べた。電子濃度を広範囲で制御するため、Ge基板にSbを塗布して熱拡散を行った。電子密度は6.3E17-3.4E18 cm-3の範囲で制御できた。電子密度が4.0E13-3.2E16 cm-3の範囲のn-Ge基板を7枚準備し、非対称MGeM素子を作製した。発光強度は電子密度の増加に伴って増加し,6.3E17 cm-3の電子密度を持つ基板では,最大の発光強度を示した。電子密度を更に増加させると、発光強度が減少した。これは,正孔注入を担うPtGe/Geコンタクトにおいて,電子密度の高濃度化により空乏層が薄くなり,トンネル電流が流れ,正孔の注入が阻害されたことが原因と考えられる。Ge基板の電子密度の最適化により、発光強度の2倍増加を実現した。(2) GOI基板を試作し、その上へ非対称MGeM素子を試作した。GOI基板は、Hイオン注入したGe基板上にAl2O3膜(数nm)を原子層堆積したAl2O3/Ge基板と熱酸化したSiO2/Si基板とを貼り合せた後、アニールすることによりGOI基板(GOI層:500 nm)を作製した。GOI基板上の非対称MGeM素子は、バルクGe基板上の素子と比べると、発光強度は低下した。これは、作製したGOI基板に結晶欠陥が多いことが原因と考えられる。H29年度からGOI基板の製作プロセスを最適化し、結晶欠陥の低減を図る。
28年度が最終年度であるため、記入しない。
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Semiconductor Science and Technology
巻: 32 ページ: 035001-1-8
10.1088/1361-6641/32/3/035001
Materials Science in Semiconductor Processing
巻: - ページ: 該当なし
10.1016/j.mssp.2016.11.016
10.1016/j.mssp.2016.11.014
10.1016/j.mssp.2016.09.024
http://www.gic.kyushu-u.ac.jp/nakasima/index.htm