研究課題/領域番号 |
26289125
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
末廣 純也 九州大学, システム情報科学研究科(研究院, 教授 (70206382)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 誘電泳動 / インピーダンス / PCR / DNA / 細菌検出 |
研究実績の概要 |
(1)塩基対数の異なるDNAで修飾した微粒子に関して、その修飾したDNAの塩基対数によりクロスオーバー周波数は異なったが、ゼータ電位には、大きな違いは見られなかった。修飾DNAの塩基対数の違いによるDNA修飾微粒子のクロスオーバー周波数が異なることを用いることで、塩基対数の異なるDNAを選択的に検出が可能であることが示された。 (2)DEPIM法を利用してPCRで増幅したDNAの迅速かつ低コスト的な検出法を利用し、細菌検出を行った。その結果、yeastとE. coliの混合液から菌濃度が100000CFU/ml以上のE. coliを特異的に検出することが可能であることを示した。 (3)PCR中の夾雑物などがなくミトコンドリアDNAのみが存在する場合、そのミトコンドリアDNAが10万個以上の場合で本DNA検出法により検出が可能であった。サンプルとして豚肉と牛肉を用いてDNA抽出を行い、PCRで増幅後の増幅産物のアガロースゲル電気泳動の結果、豚肉を用いたときは、PCRにより対象の増幅産物を確認することができたが牛肉サンプルを用いたときは、対象の増幅産物が全く確認されなかった。PCR後のDNAの検出を試みたところ、ゲル電気泳動で増幅が確認されたサンプルでは検出が可能であった。また牛肉サンプルを用いた場合では検出ができなかった。以上の結果から、本DNA検出法を用いることで豚DNAの選択的検出が可能であることが示された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
今年度計画していた、以下の2つの課題を実現することができた。 (1)DNA修飾したマイクロビーズのDEPIM法によるDNAの電気的検出 (2)上記手法とDNA抽出法を組み合わせた選択的な細菌検出 更に、当初は計画していなかった以下の技術を開発した。 (3)食品偽造(牛肉に混入した豚肉など)の検査技術
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今後の研究の推進方策 |
平成27年度までに検討してきた手法では、PCRとDEPIMを同時に行っていないため、光学的DNA検出法を用いた従来のリアルタイムPCRに比べると迅速性の点で劣る。そこで、最終年度となる平成28年度は、DEPIMによって同時に検出する技術の開発に挑む。
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次年度使用額が生じた理由 |
学会発表件数が予定よりも少なくなったため、旅費支出が予定を下回ったため。
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次年度使用額の使用計画 |
次年度はより多くの学会で研究成果を発表するとともに、実験に必要な消耗品購入費用としても有効に使用する。
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