本年度は,当初の研究機関を一年延長して,海外での共同研究によるさらなる調査を行った.申請者が進める安定多様体理論による最適制御設計理論とターンパイク理論との接点を探った.ターンパイク理論とは,計量経済学においてフォンノイマンやサミュエルソンなどの経済学者によって研究された最適成長曲線の理論である.デウスト大学のスワスワ教授の研究グループは,制御系におけるターンパイク理論において近年大きな貢献をしている.このグループとの共同研究では,申請者がこれまで行った幾何学的なアプローチを提案し,既存の結果を新しい視点から系統的かつ直感的に導出することができることを示した.
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