人間の身体運動では多くの関節が互いに協調して、調和のとれた巧みな動きが実現されている。本研究課題では、システムの冗長性と運動の多様性という観点から、運動協調のメカニズムの解明をめざした。特に、多関節の運動軌道の変動性に着目し、人が運動タスクを実行しているときの関節角のばらつきを定量的に解析した。この運動解析に基づいて制御メカニズムを考察し、各関節の動きが多少ばらついても、全体として協調的に動作してタスクを達成できる制御モデルを考案した。さらに、身体揺動と外乱付加の可能な実験装置を設計・構築し、人の運動計測実験とロボットの実機実験により、協調制御モデルの検証を行った。
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