| 研究課題/領域番号 |
26289131
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| 研究機関 | 大阪府立大学 |
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研究代表者 |
小西 啓治 大阪府立大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (90259911)
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| 研究分担者 |
大谷 真弘 奈良工業高等専門学校, 電気工学科, 准教授 (10353301)
原 尚之 大阪府立大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (10508386)
杉谷 栄規 茨城大学, 工学部, 助教 (40780474)
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| 研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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| キーワード | 制御工学 / 複雑系 / システム工学 / 非線形科学 |
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| 研究実績の概要 |
本研究の目的は，多数のサブシステムが相互に影響を与え合うネットワークシステムに生じる様々な非線形時空現象を，システム制御工学と複雑系科学に基づいて設計することである．ただし，基礎的な研究だけでなく，現代社会が抱える諸問題を解決するような課題にも積極的に取り組む．この目的に沿ったH28年度の研究実績は以下の通りである．
【1．振動停止現象】 (1) 遅延結合発振器において，一方向の遅延時間のみを高速に振動させることで，振動停止現象が生じるパラメータ領域が拡大することを，電子回路で検証した．(2) 遅延結合された高次元写像ネットワークに生じる振動停止現象を詳細に解析し，その結果をまとめて学術論文として出版した．(3) 2個の2次元振動性媒体を結合させても，振動停止現象が生じることを解析的に示した．(4) チューリング不安定性が発生している2個の媒体を面結合させることで，チューリング不安定性が消去されることを見出した．
【2. 非線形時空現象とロボット群制御】(1) 興奮性媒体に伝搬するパルス波のダイナミクスを伝達関数で同定し，この同定モデルに基づく制御を実施した．(2) 位相振動子のダイナミクスを活用したロボット群のフォーメーションの安定性解析は，非常に簡単化されることを見出し，パラメータ設計が容易になった．(3) アリの石運びを模擬したロボット群を製作し，その特性を調べた．(4) 反応拡散方程式に生じるチューリングパターンをロボット群のフォーメーション制御へ利用することに成功した．
【3. 直流給電ネットワークの制御】(1) 消費電力が時間と共に変化する状況での追従安定性能を，周波数領域で解析した．(2) 直流給電システムの基本回路を実装し，(1)を実験的に確かめた．
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| 現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本年度も，全てのサブテーマが順調に進んでいる．振動停止については，反応拡散系にも生じることを数学的に証明し，その成果の一つを物理学分野の有力なジャーナルに投稿することができた．また，遅延結合された高次元写像ネットワークに関する結果を学術論文として出版することができた．非線形時空現象とロボット群制御は，ブレイクスルーとなる安定性解析が確立され．今後の進展が大いに期待される．直流給電ネットワークの制御は，周波数領域解析の有効性を確認し，実機による検証が進んでいる．上記の結果のいずれも，論文投稿の原稿を作成している段階まで進んでおり，本研究の進捗状況は良好と判断できる．
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| 今後の研究の推進方策 |
次年度は以下の項目を中心に実施する．
【1．振動停止現象】 非線形科学分野における有力な研究課題の一つであるため，競争に負けない成果を出し続けていく努力が不可欠である．発振器群のみならず，反応拡散系も研究対象として展開していきたい．また，熱音響システムなどの実システムへの応用や，異分野への活用も実施したい．
【2. 非線形時空現象とロボット群制御】 非線形時空現象の制御については，モデルベースド制御の知見を有効活用していく．ロボット群制御については，様々な状況に適した理論構築を実施し，それを実機実験で検証していく．また，さらなる理論展開や産業応用も検討する．
【3. 直流給電ネットワークの制御】ネットワーク化したシステムの分岐解析ならびに安定化制御を理論と実験の両面で進展させる．
上記の方向だけでなく，検討中に派生する新しい発想も活かし，さらに関連分野の調査も実施しつつ，新たなサブテーマに繋がる予備研究も，状況に応じて実施したい ．
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| 次年度使用額が生じた理由 |
本年度は，ほぼ予定通りに研究活動を行うことができ，執行額もほぼ計画通りであった．ただし，参加予定であった学会発表ができなかったため，その分の旅費が次年度使用額として計上された．
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| 次年度使用額の使用計画 |
次年度も研究を順調に進め，計画通りに執行する予定である．
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