研究課題/領域番号 |
26289132
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研究機関 | 上智大学 |
研究代表者 |
申 鉄龍 上智大学, 理工学部, 教授 (70245794)
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研究分担者 |
武藤 康彦 上智大学, 理工学部, 教授 (90146803)
鈴木 隆 上智大学, 理工学部, 教授 (20206494)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 制御理論 / エンジン制御 / 確率統計制御 |
研究実績の概要 |
本研究の主な目的は、エンジンの作動境界領域を活用することによって効率向上を図るためのリアルタイム制御技術の創生である。本年度は、燃焼の確率特性に着目した境界領域における安定化制御、ばらつき抑制制御及びトルク出力最適制御などの制御アルゴリズムを開発し、実験検証を行った。この一連の制御アルゴリズムの確立によって境界領域の活用による高効率化のための制御手法の体系化が期待される。具体的には、以下の制御課題に挑戦し、制御アルゴリズムを開発した。 ①ノック確率のオンライン判定及び制御アルゴリズム 筒内圧センサーに基づくノック確率判定手法を開発し、その確率の閾値制御アルゴリズムを構築した。 ②燃焼位相(CA50)のばらつき抑制制御 筒内圧センサーに基づく燃焼プロフィルの計測手法を開発し、統計制御に基づくCA50ばらつき制御アルゴリズムを確立した。 ③トルク出力最適化のための点火時期学習アルゴリズム トルク出力の最大化のための点火時期の最適値を確率統計学習に基づいて決定する学習探索アルゴリズムを開発した。 ④残留ガス割合の確率分布モデル構築と統計制御 内部EGRの残留ガス割合の確率分布特性を解明し、サイクル間の確率遷移モデルを構築し、モデルベールのバルブタイミング調整アルゴリズムを開発した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の計画は、2年目は個別の制御課題の目的に適した制御理論手法を開発することによって、リアルタイム制御による効率向上とばらつき抑制の可能性を模索し、最終年度における体系化のための基礎を固めることを目的としていたが、バランスよく各制御課題への挑戦が行われ、一定の知見を得ることができた。
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今後の研究の推進方策 |
本年度の研究を通じて当初の研究計画内容以上の可能性も見えてきたので、次年度は境界領域の制御によるエンジン効率向上手法の体系化を図ると同時に、これらの潜在的な可能性の探求にも研究を広げて行きたい。
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次年度使用額が生じた理由 |
実験補助者の勤務時間が予定より少なかった上、ガソリンなどの消耗費が予定より少なかったため、次年度使用額が生じた。
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次年度使用額の使用計画 |
次年度も多くの実験が予想されているので、実験補助者の賃金と実験用ガソリン代として使用する予定である。
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